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                                        | 「The Ghost That Carried Us Away」Seabear / Morr Music2006年にデビューしたアイスランド発の若手バンドSeabear。現在7人で構成されているが、開始当初はヴォーカルのSindri Mar Migfussonのソロ・プロジェクトであった。音はメランコリックなアコースティック・サウンドが基調だが、東欧的ともいえるバイオリンの音がかなり印象的に聴こえる。シンドリの囁くようなヴォーカル、そこにアコギやバイオリン、ピアノ、鉄琴などの音がやさしく重なり、どの曲も聴いていて本当に気持ちいいのだ。最初にリリースされた「Singing Arc」は現在でも公式HPでダウンロード可能なので、初期との変化を感じてもらえると思う。
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                                        | 「Clangour」Sin Fang Bous / Morr Musicシン・ファン・ボウは上記したseabearのヴォーカル・シンドリのソロ・プロジェクト。Seabearのメランコリックな感じに比べるとかなりポップで遊んでる感じ。1曲目「Advent in Ives Garden」のようなアップ・テンポのエレクトロニカもあれば、サイケデリックなフォーキーな曲もある。と思いきやビートルズばりに変調する曲もあればと内容はかなりバラエティーに富んでいる。アーティスト名は「ありったけ意味がなさそうな音をつなぎ合わせた」という意味らしく、全曲にいろんなエフェクトを駆使していて、実験的で実に楽しい作品である。
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                                        | 「Sleep at Your Own Speed」Butcher The Bar / Morr Musicブッチャー・ザ・バーはマンチェスター出身のシンガー・ソングライター、ジョエル・ニコルソンのソロ・ユニット。全編フォークだがアコギ、バンジョー、メロディカ、アコーディオンそのすべてをひとりで繰り、どの曲でもかなり多様な印象的なリフを聴かせてくれる。美しいアコースティック・サウンドに囁くようなヴォーカルといえば、いかにもMorr的だが、これほどまでに消え入りそうなヴォーカルもなかなかないだろう。1曲目の「Get Away」はアップ・テンポのフォークトロニカだが、ほかの曲はフォーキーによりがちなので、もう少しこういう要素もほしかった。
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                                        | 「Ghost 」Radical Face / Morr MusicElectric Presidentのベン・クーパーのもうひとつの顔がRadical Face。Electric President同様、鼻歌のような囁く歌声にフォーキーなエレクトロカが絡むとどこか牧歌的にも聴こえる。全曲美しいアコースティック・サウンドだが、なかでも6曲目の「Wrapped in Piano Strings」のストリングスは本当に美しい。コンセプト・アルバムである本作には、ドアの音などの様々な擬音も使われていて、かなりイメージを喚起させられる作品になっている。彼は自らの公式サイトに、ちょっとしたショート・ストーリーを執筆しているので呼んでみるとよりこのアルバムの世界観を楽しめると思う。
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                                        | 「THE MUSIC MAKES ME SICK」IT'S A MUSICAL/ Morr Music
 スウェーデン出身のElla Blixtとドイツ出身のRobert Kretzschmarの男女デュオがIt's a Musical。ヴォーカルのエラはソロ名義としてBobby Baby、気だるいエレクトロニカ系ギター・サウンドのBobby & Blummと3つの活動を平行している。どれもチープな鍵盤楽器のポップでカワイイ音が魅力だが、出来としてはこのIT'S A MUSICALが断然良い。タイトル曲である「THE MUSIC MAKES ME SICK」のシンプルで美しいメロディーは心地良く耳に残る。音はどの曲もチープなのだが、そこにトランペットやドラムが重なることで、俄然楽しくなる。曲によってはビートルズを思い起こさせるところもある。
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                                        | 「MIRACLE KICKER 」DARK CAPTAIN LIGHT CAPTAIN/ Loaf
 ここ数年イギリスのバンドには何も感じなかったが、久々にこれはと思えるようなバンドに会えた。2007年にデビューしたDARK CAPTAIN LIGHT CAPTAINはイースト・ロンドン出身の4人組バンドだ。1曲目の「Jealous Enemies」は、完全に60'Sのサイケデリック・フォークを思い起こさせる曲。そこに美しいコーラスが絡み、のっけからかなりグッとくる。King Of Convenienceのようなフォーク・サウンドに、細やかな電子音が重なった今っぽさと懐かしさが絶妙にクロスした音作りが非常にウマい。こういったバンドはシーンでは主流だが、イギリスから出てきたということで新鮮さを感じる。
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                                        | 「PINS & PANZERS」PLUSHGUN / TOMMY BOYmyspaceに載せた音源が話題になり、2007年にデビューしたPLUSHGUNはフロリダ出身の3人組バンドだ。キラキラしたピアノのメロディーにシンセとグルービーなドラムが重なったダンサブルなエレクトロ・ポップだが、音にはどこか80年代をも感じさせる。ほとんどがエレクトロカだが、6曲目「Let Me Kiss You Now 」はボブ・ディランを思わせるアコースティックな曲。ウクレレを使った軽快なストロークの曲なのだが、シンプルなコード進行でこれだけいい曲を作れるのはセンスがいい。こういう曲を聴くと普通のUSエレ・ポップ・バンドとはひと味違うなと思わせる。
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                                        | 「different places」Plastic Operator / Fine DayPlastic Operatorはベルギーを活動拠点とするマチュー・ジャンドローとピーテル・ファン・デッセルのユニット。テンポのいいエレクトロニック・ビートにハスキーなヴォーカルが心地良く絡む。ロック的なアプローチの曲も多く、それはマチューがかなりのロック少年だったということもあるらしい。エレクトロカに目覚めてまだそんな日が経ってないというが、打ち込みのセンスもなかなかのもの。ギター・テクもかなりのものだ。Postal Serviceと比較されることが多いが、音作りの点では正直、断然、Postal Serviceのほうが勝っていると思う。
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