14.down tempo系
15.choir系
16.ピクチャー盤
17.strings
18.europe
19.eurojazz
20.usjazz+reissue
21.usjazz
22.jazz+latin
23.monica
24.delerue
25.forktronica
26.euro Jazz 02
27.italian jazz
28.electronica+bossa
29.jazz_new
30.old & new
31.mirabassi & others
33.chill out & bop
34.post rockeletronic
35.acoustic
36.british jazz
37.morr+jazzland
38.hip hop
39.eurojazz+reissue
40.euro+french
41.acoustic+nordic
42.jazz+bossa
music_new
「the zombies」the zombies / Varese Sarabande Records
2004年末に「アルティメイト・ベスト〜ふたりのシーズン」CDが日本でリリースされたようだが、これはその前にアメリカでリリースされたもの。ロンドンでゾンビーズが全盛の頃、日本ではGSブームでカーナビーツというバンドが彼らの曲を「好きさ、好きさ、好きさ」というタイトルで大ヒットさせ、小学生だった僕はそのシングルでゾンビーズの存在を知った。原曲である「I Love You」も含んだこのCDは、66年にヨーロッパとアジアのみでリリースされたシングルなど全16曲収録して、64年から70年くらいまでの彼らの足跡が辿れる好内容。英文解説が日本のカーナビーツに触れているところが微笑ましい。
「retrospective」Herman's Hermits / ABKCO Record
という60's UKビート懐古への流れのなか、ホリーズとともにマンチェスターを代表するハーマンズ・ハーミッツの64年から69年までの主要作をコンパイルした、まさに「懐古」と題するこのCDが2004年にリリースされた。全36曲収められているが、当時そのなかの16曲はUK TOP10入りしているというから、彼らの人気は絶大だった。もちろん今、聴いても名作と思えるもの多々あって、とてもここでは書ききれない。ちなみによく言われるこの頃の「マージー・ビート」とは、リヴァプールを貫流するマージー川からきているものだが、その上流にあるマンチェスターのバンド群はちょっと系統が異なる。
「KITE ARE FUN」The Free Design / Light In The Attic Records
90年代以降、何枚もCD化されてソフトロック・ファンにはおなじみのフリー・デザインのこれは1stアルバム。アナログとCDの両方での再発だ。アルバムは厚紙の豪華Wジャケで、買いはこっちかも。ニューヨーク育ちのクリス、サンディ、ブルース・デドリックの3兄妹を中心に結成されたフリー・デザインがこの作品をリリースしたのが67年。とても1枚目とは思えない完成度で、軽いタッチのヴォーカルと繊細なハーモニーは最高だ。バックのベースとドラムのセンスにも脱帽。驚いたことに、これイージーリスニング界の巨匠イノック・ライトのプロデュースなんだよね。今聴いても、まったく古くない作品。
「FINDERS KEEPERS」Salt Water Taffy / buddah Records
SALT WATER TAFFYは、Rod McBrienとJohn Giamettaらのスタジオ・ミュージシャンを中心にヒット作狙いで結成されたという60年代には、よくあったパターンのバンドだ。代表作の「Finders Keepers」もこうして作られブッダ・レコーズに持ち込まれたもので、この曲のヒット後、二人の女性が加入し、バンド形態を保つようになった。これは彼らの唯一のアルバムの再発盤。全曲、よくできたポップチューン。ちなみに「Finders Keepers」は、以前紹介したスペインのsiestaの『blanco y negro』にもカヴァーが収録されていた。
「SAUSALITO HERIPORT」Gale Garnett & The Gentle Reign / Columbia Records
サンフランシスコのベイ・エリアにある「Sausalito Heliport」は60年代末、ミュージシャンやそのグルーピーのコミューンとして有名な地であった。美女、ゲイル・ガーネット率いるジェントル・レインもそこを根拠地とした当時のフラワー・ムーブメント渦中のバンド群のひとつだ。これは彼らの2作目にあたるものだが、ハープシコードやタブラなどの楽器も使って、当時のサイケデリックとロマンティック・テイスト回帰を象徴する音だ。とくに2曲目の「Peace Comes Slowly」は、バッハの「G線上のアリア」のベースラインの影響のもとで作られたもので、一聴の価値ある名曲だ。アナログのみの再発。
「Volume 2」The Beau Brummels/ Siesta
ダンディの祖として崇められる19世紀英国の歴史的人物ジョージ・ブライアン・ブランメル。人は彼を「ボー(洒落者)・ブランメル」と呼んだ。その名を冠してビートルズとよく似たサウンドを持つこのバンドは、イギリスのバンドと勘違いしてしまいそうだが、1964年にサンフランシスコで産声を上げたれっきとしたアメリカのバンドだ。65年に最初のアルバムを発表し、本作は66年リリースの第2作目。シスコ的なフォークロックとビートルズのハーモニーやアレンジに影響を受けたような曲は、今聴くと案外新鮮だし、音楽的レベルも高い。当時、日本でほとんど話題にならなかったのが不思議だ。
「Informacion Y Turismo」V.A / Siesta
スペイン、マドリッド発のsiestaレーベルの作品は、このコーナーでもできる限り紹介してきた。もっともレコード屋にシエスタ・コーナーがあるわけでもなく、出会えるかは運と執着心だけのようなもの。これは中古のアルバムとして買ったが、リリースは以前紹介した「veinte colores」以降のようだ。もっとも「veinte……」の日本語ライナーが、これで2枚目、という風に書いているが、それ以前に僕は「song for the jet set」など2枚手に入れているので、すでにレーベル・コンピは6〜7枚出ているのではないだろうか。本作も、心地よいポップ、ソフト・ロック満載の最高に洒落た1枚。
「Apocalypso」Rita Calypso / Siesta
「Informacion Y Turismo」にも2曲収載されているリタ・カリプソは、じつはシエスタの中心プロデューサーであるラモン・レアルとマテオ・ギスカフレが、ヴォーカルにリタという女性を迎えて組んだユニット。60年代ポップスのカヴァー作品も多いし、当時のA&Mのトミー・リピューマのプロデュース作品やクロディーヌ・ロンジェなどを思い起こさせるが、それ以上に現代的で、洗練されていて、ギスカフレ自ら言っているように、まさに「楽園行き」の音楽だ。2003年にリリースされて、さして話題にもならず入手が難しくなってしまったが、探してみる価値はある極上のポップ・チューン満載作品。
©Hitoshi Nagasawa 無断転載を禁ず。2005/2005/01/07