14.down tempo系
15.choir系
16.ピクチャー盤
17.strings
18.europe
19.eurojazz
20.usjazz+reissue
21.usjazz
22.jazz+latin
23.monica
24.delerue
25.forktronica
26.euro Jazz 02
27.italian jazz
28.electronica+bossa
29.jazz_new
30.old & new
31.mirabassi & others
32.beat & soft rock
33.chill out & bop
34.post rockeletronic
36.british jazz
37.morr+jazzland
38.hip hop
39.eurojazz+reissue
40.euro+french
41.acoustic+nordic
42.jazz+bossa
music_new
「Kalk Seed」A Karaoke Kalk Compilation/ Karaoke Kalk
このコーナーでも何回か紹介しているケルンのエレクトロニカ・レーベル「カラオケ・カーク」から最新のコンピレーションがリリースされた。ドナ・レジーナやパスカル・フィッシャーとともに日本の高木正勝まで収録されて唸らせるセンスの良さだ。最高だったのはLeichtmetall。フレンチホルンのサンプリングかなんかを使ってすごくロマンティックな曲を作っている。それにHausmeister。MARZにも通じる、やはりミロの星座シリーズの絵画のような夜空の星がゆらめくような音楽。全12ユニット、それもアンリリース曲がほとんでしかも特典映像付き。大推奨盤だ。
「Who's Your New Professor」Sam Prekop/ Thrill Jockey
ザ・シー・アンド・ケイクのフロントマンで先日来日したばかりのサム・プレコップの、これは6年ぶりの新作フル・アルバム。ザ・シー・アンド・ケイクの近作でみせたようなエレクトニクス色は抑えて、アコースティックな心地よさを全面に出した快作。話題の映画「スプラウト」のサントラにも参加していて、これは監督のトーマス・キャンベルがスリル・ジョッキーなどのシカゴ派レーベルが大好きで、サムの起用もそんな事情からだったようだ。ギターの、「コード進行」というよりも「コード感」が、すごく心地よい作品。トミー・ゲレロを好きなタイプには、この作品もイケると思う。
「Sprout」Soundtrack / Rush Production
ということで映画「スプラウト」のサントラ盤の登場。監督トーマス・キャンベルの音楽へのこだわりが十分に伝わる一枚だ。トミー・ゲレロ、マニー・マーク、ジャック・ジョンソンなど豪華メンツによる「スプラウト・ハウス・バンド」の作品(このスペシャル・グループも来日したね)の他にもサム・プレコップやレイ・バービーなど、シカゴからスケート系まで充実しているし、他にもジャズのオリバー・ネルソンの名作「Stolen Moments」を挿入したり、サントラという以上に音楽的に素晴らしい一枚。CDとDVDのカップリング。
「Night Moves」Lisa Papineau / TOXIC music
リサ・パピヌーは4人組ユニットの名だが、ここのヴォーカルの女性の名でもある。つまり実質的なリーダーでもあるわけだ。もともとAIRやM83のアルバムにもゲストで参加していて、それなりの実績をもつが、これは彼女のユニットのデビュー作品。アルゼンチン音響派のファナ・モリーナの曲や声質を思わせるものもあればビョークの声のような曲もある。ポスト・ロック系からエレクトリックなダウンテンポ系まで、多様な切りクチと曲の良さで全曲、聴かせてくれる。輸入盤がそのまま日本のディストリビューターから発売されている。
「Miami」The Go Find /morr music
スタイロフォームが属しているベルリンのmorr musicからリリースされたゴー・ファインドはベルギーのDieter SermeusとArne Van Petegemが、すべての曲とアレンジを担当しているユニット。スタイロフォームとも親交が深いらしいし、よく似たテイストを持つが、これはこれでとてもポップで良い作品。エレクトリックサウンドにギターが被さり、フォーキーでメランコリックなヴォーカルが乗る……というあたりは、ここ数年のエレクトロニカ-ダウンテンポの良質作品の基調だが、こういうのが好きな人は絶対に気に入ると思う。
「Riot on an Empty Street」Kings of Covenience/ Source
このコーナーでも以前紹介したノルウェイ・エレクトロニカ界の天才少年、アーランド・ボウイの別ユニットがこのフォーキーな「キング・オブ・コンビニエンス」。ボウイ名義作品は、完全に打ち込みだが、こちらはギターの生音がナチュラルで心地よい素晴らしい作品。彼の作曲能力の高さに驚かされるが、とくにヴォーカルの重ね方が、すごくうまい。全曲、どれも名曲だなあ、と思わせるところはほんとうにすごいし、しかも60年代のフォークとは違う「今らしさ」が全編出ていて、これは大傑作アルバムだと思う。3曲目なんてマイナー進行って感じでもないのに切なくなる美しさだ。
「Gentle Soul」Gentle Soul/ EPIC
1968年にリリースされたジェントル・ソウルは、アナログ盤とCDの両方で再発された。彼らの残した唯一のアルバムと言われているが、CD盤は、なんと9曲もボーナス・トラックがついている。全11曲の作品だから、もう1枚制作できてしまうではないかと思うが、これはアナログを入手した。あのヴァン・ダイク・パークスがハープシコードで参加。全体にバロック音楽の影響が入っていて、そこにフォーキーなパメラ・ポーランドとリック・スタンリーのヴォーカルが重なる。当時のフラワー・チルドレンの世界が全面的に展開されているという感じの作品だ。ジャケがイカしている。
©Hitoshi Nagasawa 無断転載を禁ず。2005/08/01