14.down tempo系
15.choir系
16.ピクチャー盤
17.strings
18.europe
19.eurojazz
20.usjazz+reissue
21.usjazz
22.jazz+latin
23.monica
24.delerue
25.forktronica
26.euro Jazz 02
27.italian jazz
28.electronica+bossa
29.jazz_new
31.mirabassi & others
32.beat & soft rock
33.chill out & bop
34.post rockeletronic
35.acoustic
36.british jazz
37.morr+jazzland
38.hip hop
39.eurojazz+reissue
40.euro+french
41.acoustic+nordic
42.jazz+bossa
music_new
「Twiggy」Twiggy / Laika-Records
ジャケ周りがお洒落なデザインのこのツイッギーのCDは、彼女の67年の最初のシングル等、貴重な音源が入っているが、ツイッギー自身の歌声を聴けるのは全14曲中4曲だけ。あとはインスト曲だ。のちに主演した「ガールフレンド」で、かなり可憐な声を聴かせているが、ここでは完全に60'sガーリー・ポップ。ヘタだけれど声はやはり可愛い。小西康陽のリミックスが入っているけど元のほうが全然カッコイイぞ。76年には英国マーキュリーからソロアルバムを出しているが、これはかなりカントリー色が濃厚。こちらは歌もこなれてきているので、本作の拙さは、逆に魅力かも。
「A Collection of Little Secrets」Donna Regina / Tricatel
ドイツ、カラオケカーク・レーベルの俊英、ドナ・レジーナのこれはベスト盤のような新作。1999年から2003年までにリリースされた彼らのアルバム、EPから14曲を収録。すべての作曲・プログラミングを手がけるグンター・ヤンセンのセンスの良さにはあらためて驚かされるし、どの曲もまったく古びてはいない。そして彼のパートナーでもあるレジ―ナの淡々とした歌の心地よい響き。フォークトロニカなんてジャンルなどとっくの昔に彼らはやっていて、エレクトロニカの可能性やそのポップ性の面でも彼らは最先端をいっていたことが、これを聴けばわかる。ソフトなダウンテンポ好きには最良の一枚。
「Les Fleurs Bleues」Stefano Bollani / Label Bleu
イタリア・ジャズ界で「超」売れっ子の若手ピアニスト、ステファノ・ボラーニは最近では日本のVENUS Recordsからヴォーカル・アルバムまで出してしまった。本作は2001年にフランスの〈ラベル・ブリュ〉からリリースされたもの。ほとんどの曲を彼が作曲し、13曲中半分はソロ演奏だ。残りはトリオ演奏だが、ソロが才気走ってやっているとすれば、トリオは、より調和した世界という感じ。もっともエンリコ・ラヴァなどのベテランとやっているアルバムのほうが出来がいい気がする。9曲目はボラーニのヴォーカルがフィーチャーされているが、これは「枯葉」のヨゼフ・コスマの古い作品。いかにもイタリアの色男って感じの声だね。
「Italian Saga 10」Lenato Sellani / Philology
あのイタリアン・モダニズムの雄、バッソ・バルダンブリーニのクインテットやセクステットでピアノを弾いていたレナート・セラーニは、90年代後半から精力的に「Itarian Saga」というシリーズをリリースしてきたことは、以前もこのコーナーで書いた。本作もそのシリーズの10作目。3曲ほどエンリコ・ラヴァをゲストに迎え、あとはトリオ演奏。30年代からコンポーザーとして名を馳せ、映画音楽なども手がけたジョバンニ・ダンツィの作品のみを集めて構成された物。なかなかロマンティクな曲が多く、編曲も今風で聴き心地の良い作品だ。
「Ron Carter meets Bach」Ron Carter / Toshiba EMI
この作品はずいぶんと旧作だが、このところ中古盤屋ばかり回っていたし、ま、新作もあまりパッとしたのがないし、で、ご紹介。ロン・カーターが一人で演奏し、全曲バッハをやった日本のレコード会社の企画もの。1曲目が「G線上のアリア」だし、悪かろうはずはないと思ったが、けっこう笑える作品。もちろん曲はいい。だが、ロン・カーターのピッコロ・ベースでの弓の弾き方がスゴイのだ。4曲目なんてかなり怪しくハズしているし、アリアだって途中で音がひっかかる。クラシック教育も受けたベテランが、このような作品をリリースしていることが驚き。トンデモな珍盤と言っていいかもしれない。
「The Night We Called It Day」Marcel Azzzola / Arietta Discs
これも新作ではないのだが、このところアコーディオン系のジャズにハマっていて偶然、中古盤屋でみつけたもの。マルセル・アゾラは1927年パリ生まれ。ヴァイオリンとアコーディオンを弾きこなし、SEX PISTOLSの映画『The Great Rock'n'Roll Swindle』では「 Anarchy in the U.K」のミュゼットバージョンを演奏しているそうなので、再度、ビデオを観てみようと思う。本作はヴァイオリンにステファン・グラッペリを迎えているが、カッコイイのはホーンにステファン・ベルモンドが参加したバップ・テイストの曲。アゾラのアコーディオンとペットやフリューゲルホーンのホットな演奏が最高だ。「エディット・ピアフに捧ぐ」の題名のとおり、彼女の代表作揃い。
「Blue Rondo A La Turk」Capon Galliano Perrini / Fremeaux & Associes
……てな風にアコーディオニストものを探していたら、フレンチ・ジャズ・アコーディオン界の大御所、リシャール・ガリアーノのこんなCDも発見。ジャン=シャルル・カポンのヴァイオリン、数曲ジル・ペリンのヴァイブ及びパーカッションが入ったデュオ/トリオ・ジャズ。カポンのヴァイオリンもグラッペリのような古色蒼然とした流麗さではなく現代性も入って、なかなか良い。かの「Blue Rondo A La Turk」なんて本家ブルーベックよりもエキゾチシズムにあふれた演奏。カポンとガリアーノのデュオ・アルバムも出ているが、このブルー・ロンドもデュオ演奏。でもそこに物足りなさを感じさせないところがスゴイ。いい作品だ。
「It's Time For Tina」Lydie Auvely / Soundhills
そもそもMyアコーディオン・ブームは、ヤフオクで売られていた、このレコードから始まった。あるサイトで彼女の「Tivoli」(イタリアのチボリ公園のことか)を聴いて、その美しさに感動し、このアルバムを入手した。1956年にフランス、ノルマンジー地方に生まれた彼女は、その後、両親と友にドイツに移住。80年代からアコーディオニストとして活動を始め、本作は自身のバンド「Auvrettes」を率いての85年のサード・アルバムだ。当時のニューウェイヴ風とシャンソン風が混ざったサウンド。もっとも2003年、04年と立て続けに新作を出しているようなので、そちらも聴いてみたい。歌も歌っていて、クレプスキュール系のようないい感じ。
©Hitoshi Nagasawa 無断転載を禁ず。2004/09/11