14.down tempo系
15.choir系
16.ピクチャー盤
17.strings
18.europe
19.eurojazz
20.usjazz+reissue
21.usjazz
22.jazz+latin
23.monica
24.delerue
26.euro Jazz 02
27.italian jazz
28.electronica+bossa
29.jazz_new
30.old & new
31.mirabassi & others
32.beat & soft rock
33.chill out & bop
34.post rockeletronic
35.acoustic
36.british jazz
37.morr+jazzland
38.hip hop
39.eurojazz+reissue
40.euro+french
41.acoustic+nordic
42.jazz+bossa
music_new
「a heart & two stars.」music a.m. / quatermass
ドイツのデュッセルドルフからすごいグループが誕生した。music.a.m.。ヴォーカル、ギターのルーク・サザーランド。ローズとプログラミングのフォルカー・ベルテルマン。ベースのステファン・シュナイダーの3人組。エレクトロニカを基本にポスト・ロック的なアプローチで、さまざまな音響が入り、そこにダウンテンポなヴォーカルが重なる。同じドイツのユニット、MARZとも似たような音世界も感じさせる。すなわち夜空やミロの星座シリーズのようなカラフルな抽象性。静けさと浮遊感とさまざまなイメージを連想させる傑作。
「NIZA」NIZA / Rambling Records
スペインのグラナダからデビューしたNIZA(ニーサと発音するらしい)は、スウィートなヴォーカルのシルヴィアにギターとプログラミングを担当するロベルトの2人組のユニット。最近多いパターンだね。今のスペインは60'sテイストの甘いポップチューンの宝庫だが、このNIZAもその点では完璧。20年くらい前のトミー・リピューマ・プロデュースのClaudine Longetあたりを聴いている錯覚にも陥りそうになる。違うのはアコースティックを主体にしながら打ち込みも入っている現代性か。曲はすべていいし、バックのアレンジもチェロやアコーディオン風のプログラミング音を使ったり、良くできた1枚。
「quelqu'un m'a dit」carla bruni / FCM Records
カーラ・ブルーニはイタリア出身の元ス−パ−・モデルで1998年には、世界で最も高額のギャラを取るモデルになったことでも知られる。その彼女がフランスを根拠地にして女優、歌手として活動し始めた。全曲フランス語で歌い、しかも彼女自身が作詞、作曲もしているこの作品はカーラのデビュー作でもある。自身のアコースティック・ギターの弾き語りに乗せた声は、ちょっと重みもある独特なもので、シンプルな曲調にもよく合う。フォーキーだがフランス語だとやはり雰囲気がただのフォークにはならない。1968年生まれ。30代半ばでの素晴らしいデビュー。限定3,000枚ナンバリング付きアナログ10"も同時リリース。
「music for siesta」Veinte Colores / Rambling Records
以前、このコーナーでも紹介した「ブランコ・イ・ネグロ」に続くスペインのSiesta Recordsからのコンピレーション。シエスタは1992年に作られたレーベルで、オーナーのナテオ・グイスカフレが、ほとんどのバンドを発掘しているらしい。でも、知らずに聴くと60年代の作品をコンパイルしたかのような印象さえ受ける。収められたバンドの多くは、60'sものの他にたぶん80年代にクレプスキュールやエルなどのレーベルにも影響を受けているように思える。「夢のカリフォルニア」からマルコス・ヴァーリのカヴァーまで、カラフルで気持のよい極上のアルバム。13曲目のギターはとくに最高!
「folk songs for trains,trees and honey」savas+savalas / Warp Records
スコット・ヘレン(プレフューズ73)による別名義のサヴァス+サヴァラスの新作『Apropa't』は、素晴らしいアルバムだ。以前のエレクトロニカ+ポスト・ロックからずっと落ち着いた歌もの主体のアコースティック/ダウンテンポ調に変化した。ただ、ジャケがダサくて、この旧作を買ってしまった。でもジャケはイイけれど、ノイジーな録音のギミックが多すぎて新作には及ばない。新作はスペインに移住して制作したという。やはりスペインか。ちなみにで新作はというと買わなかったけれどネット上にほとんどの曲が転がっていて、、、。「Dejame」なんて曲は最高に美しい。みなさんちゃんと買おうね。
「wake up wonderland」Riviera / Philter Records
ジュリアとローランドというドイツの兄妹ユニット、リヴィエラの3作目が出た。スウィーティーなポップ・チューンといったら彼らに勝るユニットは、フランスのコラリー・クレモンとプロデューサー、ベンジャマン・ビオレーのコンビくらいか。ベルトラン・ブルガラと恋人ヴァレリー・ルメルシエでさえ、彼らにはかなわない。前作『Mood Bazaar』の5曲目「Girlfriend」なんて、これ以上、甘く美しい曲はない!ってくらいだった。この新作はポップさは相変わらずだが、かつての甘さは、ちょっと後退してしまった感じ。カーディガンズもそうだったけれど、「青春」は、はかなくも3作ぐらいしか続かないということか。
「not going anywhere」Keren Ann / Capitol Records
見るからにダサいジャケにロゴ。でも、1曲目のフォーキーな曲でグッときてしまう。ケレン・アンはフランスで活躍するポップ・フランセーズだ。だが、3作目にあたるこのアルバムは全曲、英語歌詞。しかもバックもギターだけ、それにパーカッションを加え、ときにはピアノを、とシンプルそのもの。しかも哀しげな曲が多い。それでも全編にフレンチを感じさせるのは彼女を見いだした敏腕プロデューサー、ベンジャマン・ビオレーのワザか。最近80歳代で新作を出したフレンチ界の奇才アンリ・サルヴァトールとの共演もあったりと、今が旬て感じだ。
「Nu-Jazz」V.A / Universal Records
2枚組でケースの作りもゴージャス、そのうえ参加アーティストもゴージャス。タイトルが『Nu-Jazz』だからといって、全編フューチャー・ジャズやクラブ・ジャズだけというわけではない。ジュリアン・ルロやニルス・ペッター・モルヴェル、ジャズランドのブッゲ・ヴェッセルトフト、コートニー・パイン、No Jazzと新旧の本格派も入って、現在のヨーロッパのジャズ、あるいはクラブ・ジャズの現況が知れるコンピとなっている。それでも全体にはちょっとフロアを意識した感じがあって、本格派のジャズ・ミュージシャンの作品も含めてスピード感のある、アグレッシヴな構成になっていて、これはこれでなかなかイケる。
©Hitoshi Nagasawa 無断転載を禁ず。2004/01/31