カリフォルニア州カーメルにある「サンセット・オーディトリアム」で録音されたライヴ盤。これも透けるような赤盤がきれいなオリジナルものだ。カルがファンタジー・レコードに残したアルバムの数は、僕の把握しているオリジナルだけで27枚。その多作ぶりでもびっくりするが、その後80年代に未発表だった作品なども発売されているから、いったい何枚出ているのか見当もつかない。このアルバムでは得意のラテン・リズムは、あのコルトレーンの名演で有名な「Afro Blue」のみ。あとはウェストコースト派的なつくりで「Round About Midnight」や「Laura」などの名曲が収められている。アルトとフルートを担当しているポール・ホーンとカルの絡みは、クールで美しい。