ジャケットにシトロエンDSの（65年に出たDS-IDシリーズのSUPERらしい）内装を、裏ジャケにはこのシトロに乗る二人組が写っているセンスからして音も想像できようというものだ。ITALIAN SECRET SERVICEは、サックスやクラリネットを繰るダリオ・チェッチーニとキーボードのレオナルド・ピエリのユニット。 IRMAが作ったラウンジ系レーベル「La DOUCE」からのデビュー・アルバムだが、最高の出来といっていい仕上がりになっている。基本は、IRMAによくあるジャズ・ボッサ系なのだが、細かいところで音づくりのセンスが抜群なのだ。リズムを打ち込んでいる以外は基本的に生楽器を使っていて、フリューゲルホーンが入ったり、トランペットが入ったりと曲によって使い分けている楽器のセンスも良く、数曲収められたヴォーカルものも小洒落ている。なかでもピエリがフェンダー・ローズでインプロヴィゼーションする曲は、どれもそのフレージングが最高！