このところボッサだ、エキゾだと、いかにも夏向けというか、南のほうを向いていたので、今回はちょっと趣向を変えてイタリアものを集めてみることにした。とはいってもイタリアものもモンドなボッサ系ジャズ・コンピなんか最近わんさか出ているので、あくまでLPジャケも良く、音も広範囲でということで選んでみた。
で、最初の1枚は中途半端に古い作品だが、でも、ジャケット写真の良さでどうしても入れないわけにはいかない。これほどイタリアらしい(と思わせる)写真もちょっとないだろう。フェリーニは僕の最も好きな映画監督の5指に入る存在だ。そしてニーノ・ロータの音楽も駄作というものがない。哀愁を帯びた名曲も多いが、フェリーニ映画でのニーノ・ロータの曲は、軽快なところがいい。ちなみにこのアルバムはサントラ盤ではなくプロデューサー、ハル・ウィルナーの企画で1981年にニューヨークで録音されたものだ(イタリアものとはいえないか)。当時のジャズ・ミュージシャンによってアレンジし直されたニーノ・ロータ作品は映画音楽的であったり、あるいはあらかじめジャズとして存在していたかのようだったり、さまざまだ。ミュージシャンにはカーラ・ブレイなどの名前もクレジットされていて、今となっては懐かしい。