「I Love Jerome Kern」
Kenny Drew
RIVERSIDE

〈Preasure Island〉のところでも書いたように6月11日、「FMいるま」というローカル局の「What's Jazz」という番組に出演、選曲したので今回はそのときのレコードの特集。すでに2回出ているが、今回はジェローム・カーンが1939年にミュージカル『Very Warm for May』のために作曲した美しくロマンティックな曲「All the Things You Are」をスウィングからモダンまで、さまざまなミュージシャンの録音で紹介した(音を流せないのが残念)。最初は、ピアニスト、ケニー・ドリューのこのアルバム。ベースのウィルバー・ウェアとのデュオでドラムレスだが、それがカーンの曲にマッチして全曲、素晴らしい出来だ。ジャケのデザインも優れていてジャズのレコードには珍しく、フォトグラファーとデザイナーの名がクレジットされている。ケニー・ドリューのリーダー作としては、あまり知られておらず、CDで発売されているかもわからないが、ともかくリラックスできる1枚だ。「All the Things You Are」も途中、ベースとピアノがユニゾンで音が下降する、最高にカッコイイ数小節がある。