デイヴ・ブルーベックは、母方の父がイングランド北端のコーンウォール出身(エイフェクス・ツインと同じだ)。祖母は東欧出身、そしてフランス6人組のダリウス・ミョーに学んだ時期もあって、ときおりヨーロッパ的なクラシック色の強いフレーズが出てくるピアニストで、そのあたりが面白い。このアルバムは彼が学んだ「College of Pacific」での1953年のライヴ録音。音質はいまひとつだが、演奏のほうは白熱して最高。「All the Things You Are」だけで9分に及ぶ演奏をしている。ブルーベックもアルトのポール・デスモンドもこの手のヨーロッパ的コード進行の曲をやると似たようなフレーズが出てきて面白い(たとえば「ブランデンブルグ・ゲート」を奏ったときみたいな)。このアルバムは他にも「Laura」「I'll Never Smile Again」などの名曲が入っていて、そのいずれの演奏も良くてお得な1枚だ。