「All the Thigs You Are」
Georgie Auld
CORAL RECORDS

ジョージー・オールドも知られざるサックス・プレイヤーだ。1919年カナダに生まれ、10歳のときにブルックリンに移住。30年代後半にはコールマン・ホーキンスのもとでレコーディングに参加しているが、自身のリーダー作は、何枚あったのだろうか? 以前、1枚だけ見たことがあるが、僕が持っているのは、この「All the Things You Are」をタイトルにした7インチのドーナツ盤だけである。ちょいエロいジャケも最高だが、アンドレ・プレヴィン編曲のオーケストラをバックにしたテナーも、けしてムード・ミュージックに陥らずいい感じだ。ちなみにジャズ通が「名盤だ」とかまびすしいアート・テイタム(ピアノ)とベン・ウェブスター(テナー・サックス)共演の「All the Things You Are」など、僕にはド演歌に聴こえたけれど、こっちはもっと都会的。ベン・ウェブスターのはベースにブルース色がすごくあって、そこがダメなのだと思う。たぶんこれは53年から55年くらいの録音。