カル・ジェイダーは50年代にはクール系のピアニスト、ジョージ・シアリングのところにいて作曲などもこなしたヴァイブ・プレーヤー。近年はジャズ畑よりももっぱらサバービア/フリーソウル系に人気が高く、アナログ盤もそれなりの値段がする。以前、雑誌『suberbia suits』にもエディ・パルミエリとの共演盤が紹介されていたが、今回のは、彼の作品のなかでもかなりレア度は高いと思われるものだ。ちょうどニューヨークの〈Japan Sciety〉でフランク・ロイド=ライトと彼の収集した浮世絵などの展覧会を見たので、これを紹介したくなった。僕自身浮世絵は大好きで画集を買ったりしているが、北斎の「冨獄三十六景」を大きくフューチャーしたジャケは、かなりモンド。曲名も「Fuji」や「Sake & Greens」はまだしも 「Cha」「Shoji」ともなると外国人には何のことやら見当もつくまい、と泣かせてくれるタイトルだ。でも、マーチン・デニーほどエキゾに行かず、ちゃんとカルしているところがいいレコード。つまりクールでホットでスウィンギー。1963年の録音。