「Vinicius & Odette Lara」
Vinicius & Odette Lara
ELENCO

レコード屋でよく見る作品だが、『MUSIC MAGAZINE』増刊の「ヴィヴァ!ボサノーヴァ」のBEST100にも出てこない。ジョビンと組んで「イパネマの娘」「おいしい水」「泣きぬれて」 などボサノヴァの代表的な作品の詩作をした詩人・外交官のヴィニシウス・ジ・モライスがオデット・ララと組んだ本作は、 ジャケの良さで知られるエレンコのなかでも最高のデザインの1枚だと思う。アロイージオ・ジ・オリヴェイラが、創設したエレンコ・レーベルものは、 今では再発ものでさえアナログ盤は結構な値段がする。ちなみにここではヴィニシウス自身が、うまくもない歌を披露しているが、 でもギターの名手バーデン・パウエルとコンビを組んでいたときの作品である1曲目の「ビリンバウ」など、朴訥な歌い方がすごくハマって、 数あるこの曲の録音のなかでも、佳作のひとつだと思う。