「Switched -on Bolero」
Walter Carlos
CBS SONY inc

「Switched -on Bach」でムーグIIIを用いたシンセサイザーによるクラシックで世界的に有名になり、しかもシンセサイザーという言葉を大衆的なものにした功労者ワルター・カーロスは、『時計仕掛けのオレンジ』のサウンドトラックを担当し、さらには「Switched -on Bach II」「The Well-Tempered Synthesizer」を発表。性転換して、ウェイン・カーロスと名のったが、次第にあまり話題に上らなくなっていった。その彼(のち彼女)が1969年から71年にかけて録音したのが、この「Switched -on Bolero」。ムーグIIIが唸る隠れたる傑作。思うにカーロスはバッハものより、ほかの音楽のほうがよいのではないか?