●「The Devil, You + Me」
The Notwist
ドイツ出身のThe Notwistの新作がリリースされた。4人組のこのバンドは不思議な経歴を辿っていて、初期はハードコア・パンク的なものだったらしく(未聴)、その後、プログラミング担当のマルティン・グレヒェンマンの電子音を大胆に取り込んで、エレクトロニカのバンドに変身してゆく。2002年にリリースされた「Neon Golden」は、そうした音作りが見事にハマった傑作だった。全曲、メロディも良く、アコースティックとエレクトロニカのバランスも素晴らしいものだった。このところのフォークトロニカの風潮もあって、今回の「The Devil, You + Me 」は、よりアコースティック色が強く打ち出されている。メロディもどれも良い。でも、やはり「Neon Golden」には、かなわないと思う。現在はエレクトロニカの過渡期なのだ。 |
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●「A Thousand Words」
Styrofoam
僕がエレクトロニカの金字塔と思っている2004年の「Nothing's Lost」から4年を経て、Styrofoamの新作がリリースされた。「Nothing's Lost」にはThe Notwistのマーカス・エイチャーも参加していたし、Death Cab For Cutieのベン・ギバートも参加していた。とてつもないメンツが勢揃いしていたのだ。今回はMorr MusicからNettwerkへとレーベルを移籍しての新作だ。Morrがアコースティック寄り過ぎてきたこともあるのかもしれない。アーネ・ファン・ペテゲムは、本作にはゲストにジム・アドキンスや女性ヴォーカルにエリカ・ドリスコルを迎えて、ほんとうに良質な作品を作っていた。でも、これは「Nothing's Lost」の延長線上にあるのだ。延長にある以上、元を超えることはできない。これもまた過渡期を思わせる作品だ。誰が次の時代をつくるのだろう? |
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