●「Look Out」
Schema Sextet
1999年にリリースされ、廃盤になっていたSchema Sextetの「Look Out」がリイシューされた。名前でもわかるようにイタリアのSchemaレーベルのための編成で、仕掛け人はこのレーベルで地道に過去のジャズをよみがえらせ、またクラブ・ジャズを牽引してきたニコラ・コンテ。99年当時にこの作品を買ったときには、そのメンツの凄さはあまり理解していなかった。だが、今みるとスゴイ! イタリアン・ジャズ界の若手では最高のトランペッター、ファブリツィオ・ボッソ。やはり同世代のトロンボーン・プレイヤー、ジャンルカ・ペトレラなどが参加している。ちなみに本作はイタリア・モダンジャズの創始者ともいえる、バッソ=ヴァルダンブリーニへのトリビュートとなっているが、彼らと一緒に演奏していたピアニストのレナート・セラーニとデュオ作品も出しているのがジャンルカ・ペトレラ。ともかく生きの良いハード・バップの連続で傑作な一枚。 |
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●「Andorra」
Caribou
ダン・スナイスによるひとりユニットがCaribou。2003年まではManitobaという名で活動していた。Caribou名義での最初のフルCDである2005年リリースの「The Milk of Human Kindness」も良かったが、最新作の「Andorra」は、それ以上に素晴らしい。音作りは今風の生音入りのエレクトロニカ風だが、よく聴くと60'sのソフト・ロック的なメロディがかいま見える。ビーチボーイズ風メロディもあるところなぞ奥深い。メロディの美しい4曲目の「She's The One」、キーボードの音が水のように揺らぐ8曲目の「Irene」は、この作品のなかでも群を抜いて美しい。 |
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