2008. 03
『HUgE』5月号、デヴィッド・ホックニー論

 男性ファッション誌『HUgE』の5月号に「DAVID HOCKNEY the BIGGEST SPLASH」というタイトルで、ホックニーの画業とともにファッション界との関わりについて、7ページにわたって書いた。ポール・スミスのコレクションで、まんまホックニーのスタイルが再現されるなど、ホックニーにインスパイアされたコレクションが多かったからだ。
 この文章では画家としてのホックニーを概観するとともに、その交友関係、とくに60年代後半のロンドン・ファッション界で天才といわれたオジー・クラークとの親密な関係など、あまり知られざる逸話もかなり入れた。たぶんここまでホックニーとファッション界の関わりについて書かれたことはなかったと思う。
HUGE
DAVID HOCKNEY
DAVID HOCKNEY
DAVID HOCKNEY DAVID HOCKNEY
今月のRecommend
Karel Krautgartner Orchestra Jay Epstein with Anthony Cox
●「Jazz kolem karia krautgartnera」
  Karel Krautgartner Orchestra

チェコのアルトサックス奏者カレル・クラウトガートナー率いるオーケストラの1965年の音源が復刻された。1曲目の「31゜Ve Stinu」で、もう鳥肌が立つ。冒頭のピアノ、ベース、ドラムスの小気味よいスウィング感の上にさまざまなホーンが重なってゆく。そのノリの良さと同居する精緻さに圧倒される。4曲目の「Zcista jasna」はビブラフォンのソロとホーン・アンサンブルの掛け合いが絶妙。テーマのメロディ・ラインに独特な雰囲気にも感服させられる。
●「Long Ago」
  Jay Epstein

ドラマーのジェイ・エプスタインがリーダーのピアノ・トリオ作品。ピアノのビル・カロザース、ベースのアンソニー・コックスもよく走っている。その疾走具合がひじょうに気持ちの良い作品。このところヨーロッパのピアノ・ジャズ・トリオが妙に落ち着いてしまっている感じなので、逆に新鮮だ。これは1996年にリリースされ、すぐに廃盤となって幻となっていたものの復刻。リリース元のIGMODレコードはアメリカのペンシルバニアに本拠を置き、比較的北欧ジャズ的な作品をリリースしているという。アメリカ人のトリオだが、そうしたレーベルの雰囲気はこの作品にも表れている。
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