2007. 08
グレタ・ガルボ+マレーネ・ディートリッヒ

 いつも何かしら書いている雑誌『commons&sense』で、今年のコレクションが過去の映画や何やらから引用が強かったので、そっち方面で書いてくれとのこと。そう言えば、コム・デ・ギャルソンのコレクションにはアンドリュー・ローガンやダギー・フィールズが、まんま登場したし、アニエス b.のコレクションは60年代のゴダール作品でのアンナ・カリーナがテーマだった。そんなんでいいのか なあ、と思わなくもない。
 原稿を書いたのはグレタ・ガルボとマレーネ・ディートリッヒ。高校生のときから僕はこの二人の大ファンだった。丁度、芳賀書店というところから「シネ・アルバム」というシリーズの刊行が始まり、たしか第一弾がこの二人をカップリングした巻だった。
 そもそもは高校二年のときに学校をさぼって、午後の12chの映画番組でディートリッヒの『モロッコ』を観たことに始まる。まったく知らなかった30年代にのめり込んだ。自分のファッションのレトロへの傾倒もそこから始まった。1972年ぐらいのことだ。30年代風の服装をするために自分でニッカーボッカーズまで縫った。そんな頃、本が出て僕はなぜか学校帰りに本屋で万引きした。友人に諭されて同じ棚に戻しに行った。戻すほうがとても難しかった。買い直して、その後もたくさんの映画を観ていろいろな本を買った。
 いままでこのふたりについて僕にだれも原稿を書かせようとしなかったこと自体がおかしいのだ。ディートリッヒ作品のみで輝いた監督、スタンバーグの論だって書ける。それがなぜかも知っている。でも書く場がない。今回は指定された短い字数のなかで、いくつかの「触り」については書くことができた。ほんとうはもっと文字数が欲しいのだ! 飽きるまで書かせて呉れないか……。
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