2006. 12
commons & sense issue31
リー・ミラー、イーディス・ヘッド、Agent Provocateur、007 ボンド・ガール

 雑誌『comonse&sense』の特集が「woman in top」。ようするに「パワー・ウーマン」みたいなこと。僕が取り上げたのはリー・ミラーとイーディス・ヘッド。どちらもかねてから興味あった女性だ。リー・ミラーは交通事故に合いそうになったときに、あの『VOGUE』を所有するコンデ・ナストに袖を引かれて助かる。助かっただけでも幸運だが、コンデ・ナストはリーの美貌に惹かれてモデルをやらないかと誘う。ともかくリーは強運の持ち主だった。それは彼女のとてつもない「冒険心」にも支えられていた。モデルからカメラマン、エジプトの富豪との結婚、第二次世界大戦での従軍記者。彼女の好奇心は絶えず次の行動へと掻きたてていった。見開きのページでは、そんなリー・ミラーの一生のほんの断片しか伝えられなかったが、それでも彼女についてより多くの人に知ってもらえれば、なによりだ。
 イーディス・ヘッドは、ハリウッドのコスチューム・デザイナー。アカデミー衣装デザイン部門でオスカーを8回取り、生涯に1000本近い映画の衣装を担当、ハリウッド外での女優たちのモードにまで影響を与えたこの女性について、いわゆるファッション史ではまったくというほど記述されてこなかった。ハリウッドの衣装デザイナーは、特別に興味ある分野だが、それについて書く機会も少ないのは寂しい。
 この号でもっとページを割いて紹介したのはイギリスの下着ショップ/ブランド「Agent Provocateur」。ヴィヴィアン・ウェストウッドとマルコム・マクラーレンの間に生まれたジョセフ・コーとその妻セリア・リーが、90年代に始めたショップが今や世界各国にショップをもつ下着ブランドに成長してしまった。セクシーさを強調したこのブランドの飛躍は、そのお洒落なHPにあった。それが好きで、ずっとチェックしたきたところに、このテーマでの原稿依頼。まさに僕が書くべき原稿だったわけだ。
 他に新作の007映画の公開にあわせてボンド・ガールについても書いた。多趣味というか、ボンド・ガールについても一家言あって、以前『STUDIO VOICE』誌にも書いたが、まあ、このあたりは趣味のお仕事って感じかもしれない。

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