2006. 08
朝日新聞大阪9月5日「ギィ・ブルダン」写真展 解説

 9月6日から大丸ミュージアム・梅田で「ギィ・ブルダン」展が、開かれる。東京で5月に東京都写真美術館で開かれたものの巡回展だ。都写美での展覧会のときは、『美術手帖』に「ギィ・ブルダン」論を書いたが、今回は大阪での展覧会の主催者である朝日新聞大阪版の夕刊、全7段の展覧会告知で、解説文を書かせてもらった。
 ギィ・ブルダンは、70年代にシャルル・ジョルダンの広告で好きになった。いわばリアルタイムで好きになった写真家なわけだ。その後、彼は忘れ去られてゆき、僕も忘れていった。ただ、あの系譜は80年代にチェイコ・リードマン、すこし脇のほうでボブ・カルロス・クラークに引き継がれて、それが90年代デヴィッド・ラチャペルによって別の文脈に落とし込まれたのだと思っている。80年代のチェイコ・リードマンがいまや完全に忘れ去られたことは残念なことだが。
 ともかくも、この時期にギィ・ブルダンが再評価されたのは、社会全般での70年代的美意識への再評価、あるいは懐古があるのだと思う。大きく捉えれば、僕たちの『BIBAスウィンギン・ロンドン1965-1974』が、そこそこ評価され、売れ行きがいいのと通ずるところがあると思っている。
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2006. 08
re-quest/QJ 10月号

理容・美容雑誌『re-quest / QJ』の10月号に「他業種のクリエイターによるヘアショー企画」というようなページに原稿を書いた。ようするにヘアショーそのものが定型化してしまっている。そこで違う業界のクリエイターに、もっと斬新なショーのアイデアも出してもらおうという企画だ。
 アイデアはすぐに出た。こんなのでもいいのかなあ、と心配で編集者に尋ねてみたら、普通っぽいものが多いので、まさにこういうのを求めていたとのこと。読んでいただければわかるが、アーティスティックだと思うし、一種、「時間」というものに対する哲学的な部分も入っていると思う。できあがった雑誌を見ると「ギャル社長」と名乗っている藤田志穂さんが秀逸なだけで、他の人はアイデアというレベルにも達していなかった。凡庸な木村伊兵衛賞を取った凡庸な写真家の企画の凡庸さは際だっていた。
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