2006. 03
美術手帖 4月号「もうひとつのデザイン・ユートピア」

 1980年代のいわゆる「ポストモダン」といわれたあたりから現在までのデザインを「テクノロジカル・デザイン&アーキテクチャー」のサブタイトルで特集した号。僕は「廃墟と新素材」というタイトルで、〈LYCLA〉から〈PVC〉、〈PU〉、〈テクノゲル〉まで、モードを中心にプロダクトでのサルベージ・デザインなども交えながら、素材とデザインの関係性について触れた。時代で的には、80年代のクラブ・カルチャーからサルベージ・デザイン、そしてアントワープ派、しかもモード史にも埋もれている第二世代など、概して通常のファッション史やデザイン史がほとんど、触れない部分について書いた。もちろん、そのあたりを知っている人もいるだろうが、アカデミックなデザイン史やファッション史って、ほんとうにツマラナイからね。とくにファッションのなにがしかの「論」になると、必ずコム・デ・ギャルソンについて触れる。アホかいな、って感じ。歴史のなかで埋もれたものをもっと掘り起こすべきだと思う。
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