11 月10日クリーク＆リバー社主催のセミナーで講演。３時間、３部の構成は21世紀の流行美学から始まり、ルネサンス、マニエリスム、バロックへと遡り、さらには浮世絵の構図へと野放図なばかりに話しが広がる大絵巻と化した（笑）。iBookに200点近い希少な写真の数々を取り込んでスライドにして解説。第2部では映画のワンシーンをスローモーションで流しながら、その構図とカメラワークについて詳細な分析まで行った。ベルナルト・ベルトルッチ、アンドレイ・タルコフスキー、アンリ＝カルティエ・ブレッソンらの作品の構図を俎上に乗せたこの第2部は、ことのほか好評だった。セミナー会場には1920年代のバカラの香水瓶から、A・ブロドヴィッチがADをしていた頃の『HAPER'S BAZZAR』、リンカーン・フューチュラのモデルカーまで、長澤のコレクションを展示。昨年から何回か続いたセミナーの総仕上げといった感じでもあった。長澤個人にとって、この3時間は2000年に刊行した『パスト・フューチュラマ』に続く、自身の美学的世界像の最新の集成ともなった。 |
