2002. 10
アイウェア・オブ・ザ・イヤー2003審査員

 10月11日東京ビッグサイトで開催された「第15回 メガネの国際総合展〜アイウェア・オブ・ザ・イヤー2003」に審査員として参加。9月末に予備審査があり、そこで他の審査員(デザイナーの小西良幸氏、ディレクター藤巻幸夫氏、婦人画報副編集長今田龍子氏)とともにメンズ、レディース、トレンド、スポーティ、技術、などの5部門での候補を合議。これは意見が違ったりしてけっこう面白かった。僕自身はエントリー作品の評を「メンズ部門」と「機能・技術部門」を担当させていただいた。またグランプリ発表の当日は、両作品のグランプリ受賞作に表彰なんてしてしまって、ちょっと柄ではなかったかなあ、という気もする。表彰後、出店している多くのメーカーのブースを覗いてみたが、東京オプチカルとかライツという会社の製品はひじょうに良かった。僕自身がトレンドとして面白いと思ったのはレイト70'sからアーリー80'sなデザイン。これが颱風の目のような気がする。80年代にGUCCIの創業者一族を滅ぼしてしまったGUCCI家のドラ息子のイメージ。

2002. 10
[クリストファー・ドレッサーと日本展] 宇都宮美術館

 宇都宮美術館で11月17日から開催される「クリストファー・ドレッサーと日本展」という展覧会のポスターやフライヤー関係のデザインをした。ドレッサーの名は多くの人にとってなじみのないものだと思うが、そう言う僕も今年夏に開かれた府中市美術館での同展を見るまで彼の名も作品も知らなかった。 今回の宇都宮でのものは、この府中市美術館からの巡回である。ドレッサーは1870年代に最も旺盛な活動をしたデザイナーで、その領域はのちにウィリアム・モリスが没頭するような植物をモチーフにした文様から、家具、花器、ポットやティーカップなどの食器に至るまで、驚くほど多岐にわたるものだ。 しかもアール・ヌーヴォーの曲線を先取りし、さらに銀製の食器類に至っては1920年代のバウハウスのモダニズムをも先取りするほどのモダーンかつシンプルなデザインをつくりあげている。貿易商として日本に滞在した時期も長く、デザイン的にもあまりに時代から突出していたので、正統なるデザイン史から長らくこぼれ落ちてきたのかもしれない。 正統は概して「正当」ではないのだ。クリストファー・ドレッサーの全貌を観ることができる本展は、是非行ってみて欲しい。会期は今年の12月23日まで。
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