『スタジオ・ボイス』10月号、特集〈ファッション・アウトサイダー〉で「Chronicle of Fashion Outsiders」というテーマで原稿を書いた。コクトオやダリと親交が深く、それゆえかファッション史では不当に過小評価されているきらいのある30 年代のスキャパレリから始まり、50年代半ばのマリー・クワントに代表されるロンドンでのストリート・ファッションの誕生、サイケデリック/ヒッピー・ムーヴメントでのアンチ・ハイ・ファッション的な人物の登場、そしてニュー・ロマンティックを経て、クラブ・カルチャーと連動した80年代末のパム・ホッグまで、「傍流」にならざるを得なかった優れたクリエイターを取り上げた。90年代初頭のフェッティッシュ・ファッションを担ったデザイナーや、アントワープ派のなかでもなぜか消えてしまった第二世代?など、通常のファッション史からこぼれ落ちる「才能」へのオマージュでもある。残念だったのは、ストリートから最も偉大な発信をしたジョン・ガリアーノとヴィヴィアン・ウェストウッドが、ともパリのハイ・ファッション界で成功を収めてしまったためにこの二人を除外せざるをえなかったことだ。今回の原稿は自信作で、是非読んでいただきたいが、忘れてしので、文末をここに掲示する。