神奈川県本厚木にある東京工芸大学の講堂で、
200人以上の学生をまえに1時間半ほど特別講義をした。テーマは、「デザインのカンブリア紀──その絶滅種と進化について」。
簡単にいうとパソコンや電卓など、60年代までのモダニズム以降に出た新製品のデザイン論のようなもの。
それまで市場に存在しなかった商品は、機能優先のノン・デザインから他社との差別化によるデザインの実験へ(それがカンブリア紀の多様な生物種の爆発に例えることができる)、
そしてモダニズムの洗練へと向かう。それは19世紀以降の工業製品デザイン史の大きな流れにおけるモダニズムへ、ポスト・モダンへ、
といった流れを10数年間に凝縮してしまったものであり、60年代以降に開発された新製品のデザインにおける宿命ともいえる。
パソコン、電卓、デジカメ、どれをとってもその「凝縮された10年」のデザイン史を辿るということをスライド多数、まじえて解説。 |