「Everything for You」
Jos Van Beest Trio
Atelie Sawano

澤野商会が「発見」したオランダのピアノ・トリオ、ヨス・ファン・ビースト・トリオが2001年に録音した久々の新作。その前の「Because of You」が1993年の録音だから、この間彼らは何をしていたのだろう? ビートルズの「ミッシェル」とA・C・ジョビンの「WAVE」を1曲にしてしまう、というポップの荒技を聴かせた前回に比べると、本作はずっと正統なジャズに近づいた感じだ。それでも透明感は相変わらずだし、選曲もいい。だが、あまり作曲しないJos自身の楽曲がいいのだ。前作の「Because of You」がそうだし、今回もOn AirしたJosの作品「Barbezieux avec Nol」は、アルバム中、最高の名作である。まさに「美しい」という単語一つで説明の足る曲。