1964年、ノルウェーに生まれたブッゲ・ヴェッセルトフトは、オスロ大学在学中からプロとして活動を始めたピアニスト。1996年に「New Conception of Jazz」をリリースしてフューチャー・ジャズの先鞭をつけた。というのは彼自身がピアノからローズやエレピなどさまざまなキーボードを繰りながら、プログラミングまでしているからだ。この音楽はちょうどクラブとジャズをつなぐものといってよいだろう。1枚目のリリースのときに自身のレーベル「Jazzland」を設立。68年には「Sharing」を発表している。今回On Airしたのは昨年リリースされた3枚目の「Moving」から「Lone」という曲。北欧ながらの透明感、そしてインプロビゼーションと静寂が交差する素晴らしく美しい曲だ。この原稿を書いている2002年4月30日現在、レコード店には1300円程度という超安値でJazzlandの新しいコンピが売り出されている。「Jazzland Recrdings」というこの作品も全編、かなりのレベルの高さ、そして新世代のアプローチを感じさせてお買い得の1枚だ。