これはモンド系ではつとに知られたアルバム。小柳帝氏が『モンド・ミュージック』でオリジナル盤を紹介している。それによると邦題『天国か地獄か〜フリーセックス地帯を行く』という映画のサントラだったそうな。原盤は1968年。それをミラノのEasy Tempoが1997年にジャケット・デザインをちょっとお洒落系に変えて再発したものだ。折からのラウンジ・ブームにのった企画だが、音楽そのものは今聴いても、素晴らしいの一言。ほとんどの曲にハモンド・オルガンがフィーチャーされ、スキャットも多くB級エロ映画のサントラとは思えない。もっとも『黄金の七人・1+6エロチカ大作戦』もB級エロ映画といっていいものだったが、音楽はトロヴァヨーリだった。ちなみに『エロチカ大作戦』は、ロッサナ・ポデスタよりもシルヴァ・コシナのほうがエロくて好きだった。話がそれたが、この時期Easy Tempoは本作と似たようなジャケのシリーズを出していたが、本作が一番良かったように思う。ちなみに映画のほうは、監督がルイジ・スカッティーニ、作曲はピエロ・ウミリアーニが全作を担当している。なかの何曲かには、テナーサックスのガトー・バルビエリが参加していて、これにはちょっとビックリ。