「Hawaiian Sunset」
Arthur Lyman
HiFi Records

 アーサー・ライマンが、マーティン・デニーのアルバム「EXOTICA」の1956年の最初の録音(番号でいうと3000番台はアナログ、7000番台はステレオ録音、この3000番台の最初の録音)に参加したとき、彼はわずか14歳だったという。その後マーティン・デニーのもとを離れ自身のバンドで長く活動してゆくことになる。ヘンリー・J・カイザーの経営するホノルルの〈ハワイアン・ヴィレッジ・ホテル〉や〈カイザー・アルミニウム・ドーム〉というコンサート会場を根城に60年代いっぱい活躍した(70年代以降に関しては寡聞にして不詳)。彼の音は、いわゆるスティール・ギターを使ったよくあるハワイアン・サウンドではなく、マーティン・デニー寄りのエキゾティック・サウンド。しかもヴィブラフォンなどが効果的でジャジーな側面も持っている。ちなみにこのアルバムや「Isle of Enchantment」「Bahia」「The Shadow of Your Smile」などの夕暮れの浜辺写真ジャケは、飾っておくだけでもたまらないからこれはアナログ盤がお薦めだ。