「Laten Kick」
Cal Tjader
Fantasy Records

前回、紹介したばかりなのに再度カル・ジェイダーが登場してしまうが、ラジオでの打ち合わせの時、「All the Things You Are」特集最後の1曲を誰の演奏にするか、かなり迷ったうえでこれになったのだから仕方ない。もちろんタイトル通りラテン・アレンジでノリまくる演奏は、最高にホットでしかもクールな名演だ。最後の1曲で他に迷ったのは、チェット・ベイカーの演奏、ジム・ホールのもの、そしてジャズではなくラウンジ・ピアノ(カクテル・ピアノ)もののハンス・ゾンマーの「All the Things You Are」のどれにするかだった。個人的にはカクテル・ピアノって、案外レコード店で見つけるのが難しいジャンルなので、ハンス・ゾンマーを推したかったけれどね。チェット・ベイカーの「All the Things You Are」は典型的なハード・バップの名演で、中古CDでも「The Best of Chet Baker Plays」なんてのに入っていて、これはすごく入手しやすいし安いので、ぜひこのあたりでまず「All the Things You Are」を聴いてみて欲しい。