2012. 04〜
最近のおもな仕事
繊研新聞社主催「JFW-インターナショナル・ファッション・フェア 26th」タブロイド
 国内最大級のファッション展示会JFW-INTERNATIONAL FASHION FAIRの今回のトータル・イメージは「ジェット・セット」。JFW-IFFの担当者から、そのテーマを聞いたとき、まさにpapier colleにうってつけと思った。過去にも『流行通信』誌上で、同様のテーマで編集・デザイン・執筆までこなしたことがあるし、そもそも僕たちはエアライン・グッズのコレクターでもある。BOAC・グッズ、パンナム・グッズ、ブラニフ・グッズまで。
 なので最初のDMから看板、そして会場案内のタブロイド・ペーパーまで、すべてジェット・セット・イメージ。モデル・シューティングもシャープでエッジの効いたテイストにこだわった。ロケーションも都内での「SF感覚」にこだわった。ロンドンやニューヨークでの仕事が多いフォトグラファーのHIRO氏が、見事な写真を撮ってくれた。ファッション・フォトとはこういうものだ。
 インヴィテーション・DMは、ホログラム・ワークスと組んで最新のホログラム印刷を取り入れた。こうしていろいろな人の素晴らしい協力や作業があって、まるでマジックのように「予算」の全体枠からは想像できないようなものができあがった。ファッション業界全体は相変わらず厳しいけれど、こういった展示会がもっと盛況になってくれればと思う。
● Photo : Hiro Kimura
● Styling : Mio Kiyomiya
● Art Direction : Hitoshi Nagasawa
「JFW-IFF」タブロイド・ペーパー表紙。Coolなジェット・セット・イメージ
タブロイド・ペーパー誌面デザイン
事情によって掲載されなかったフォト
インヴィテーションDM。ホログラムワークス独自の高度なホログラム技術を使ったもの
関係者インヴィテーションDM
繊研新聞掲載の「JFW-IFF」来場促進広告
左/「JFW-IFF」『roomservice』用広告 右/「JFW-IFF」誘導看板・裏
CDジャケット・デザイン ジャズ、クラシック、……。
 惜しくも今年の2月に亡くなったホルスト・ウェーバーが主宰した「Enja」レーベル。女性ジャズ・ヴォーカリスト、リザ・ヴァーラントのこの作品はEnjaからの2作目。原盤はタイトルもわかりづらく、ジャケも素っ気なかったのでリ・デザインの依頼。リザ本人が日本盤のために収録曲にちなんで、赤い傘を持ってあらたに写真撮影。それをもとに昔の「ELENCO」風デザインに仕上げた。
 ピアニスト菅野潤によるメシアン。タイトルにあるように幼子イエスということで、ジョットの絵画作品をジャケに使った。2枚組なのでレーベルはゴールド・メタリックとシルバー・メタリック地に模様を入れたが、予想以上にきれいなものに仕上がった。
 東京吹奏楽団の「温故知新」はかなりの案を提案したが、一番シックなところでまとまった。
菅野 潤「Oliver Messiaen」
ALM
Lisa Wahlandt「Umbrella-Wowownder」
MUZAK
菅野 潤「Oliver Messiaen」
レーベル・トレイ下
東京吹奏楽団「温故知新」
ブレーン
VOX GAUDIOSA「トスカーナからの風」
ブレーン
ジャケット・カンプ案
『Fashion LaB Vol.12』リニューアル・デザイン
 年2回、日本色研事業が発行する季刊誌『Fashion LaB』のリニューアル・デザインを担当。読者層の幅広さと、学校などにも配本され教科書としても使用されるので、文字の見えやすさと図解のわかりやすさがデザインに要求される。それまでのこってりしたデザインを極力削ぎ落とし、シンプルかつシャープなデザインを目指した。表紙ロゴは以前のものを使っているが、次回からはロゴも一新する予定。
『モノ・スペシャル ワークウエアNo.7』 原稿執筆/デザイン「冷戦下の米ソ宇宙服開発競争史」
 今回の原稿のテーマは「米ソ宇宙服開発史」。アメリカの宇宙服開発史は、文献を漁ればそれなりの資料が出るが、問題はソ連。こちらはスターリン時代からの開発なので、共産圏特有の秘密主義、冷戦下での開発競争ということもあって、現在でも資料がひどく乏しい。それでも海外からいろいろ集めてなんとかした。とくに素材開発については、誰も書いてないレベルまで調べた。アメリカならDUPONT社がさまざまな新素材を開発して、ナイロン、ノーメックスなどの商標名で出回り、欧米で新素材が流通してゆくさまがわかる。ソ連は? 独自開発だけでなく西ドイツの企業などを通して、欧米の新素材を用いて独自の開発をし、最新素材の宇宙服開発に成功してゆく。そんなゆくたてを書いた原稿。写真素材もこちらですべて用意した。
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『SHUTTER magazine Vol.5』
原稿執筆/デザイン「スウィンギン・ロンドン ストリート・カルチャー史」
  フォトグラファー、山田敦士・編集『SHUTTER MAGAZINE』に1950年代半ばに勃興するロンドンのユース・カルチャーから現在のクラブ・カルチャーの根源となる1970年代後半のNEW ROMANTICSムーブメントまで6ページ、原稿を書くとともにデザインもした。NEW ROMANTICSは、いまだに正当な歴史的評価を与えられていないから70年代前半のROXYムーブメントからニュー・ロマまでを2ページほど割いて貴重な写真とともに詳述した。
 当初、インタヴューを原稿化するという話だったが、累計のインタヴュー時間が5時間を超えてしまい、編集部もまとめることができず、結局、1時間半で新たな「インタヴュー」風原稿を書き上げた。ちなみに「文化のため」にということで、ギャラ無しの依頼だった。初めてそういう依頼を受けたが、できあがってみるとこの雑誌そのものが、ちっとも「文化のため」になっておらず、浅薄なロンドン今昔風俗を並べただけだと一見でわかる。この程度以上のものが80年代にすでにたくさん出尽くしていたのだ。
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